村上ファンド事件から学ぶインサイダー取引とは?

今日は「村上ファンド事件から学ぶインサイダー取引とは?」というテーマで書きます。

最近読んだ本

最近村上ファンドとしてかつて世間をにぎわせた村上世彰氏が書いた「生涯投資家」を読みました。最近投資に興味を持っているため、この本を手に取りました。

この本では村上世彰氏がこれまで関わってきたフジテレビ買収案件などを通じて自身の投資哲学や日本企業、日本の経営者たちへの見方を語っており、村上世彰氏がどのような思いで動いていたのかが良くわかります。

簡単に言うと、日本企業は「会社=株主のもの」という意識が非常に低く、株主への利益還元意識も低い。また、資産を貯めこみ過ぎており、体で言うと血液にあたるお金が全く循環していないため、日本経済の成長が止まってしまっている。そのような状況を改善するため、村上世彰氏は株主という立場から資産があるのであれば、新たな設備投資に回すことや社員の給与を上げること、新たな投資に回す予定がないのであれば、株主に還元すべきと訴えてきました。株主に還元された利益は別の企業への新たな投資へ回り、日本経済全体が活性化するという考え方です。

この本を読んで村上氏の考えに同意しました。日本の経済成長が止まっている理由を知ることができた気がします。

村上ファンド事件とは?

村上ファンド事件とは、2006年に村上ファンドがニッポン放送株でインサイダー取引をしていたとして、村上世彰氏が逮捕された事件。
村上氏はホリエモンから「ニッポン放送の株式を5%以上買いたい。」という話を聞き、これがインサイダー取引に該当するとの疑いが持たれ、その情報を元に株の取引を行って利益を上げたとして逮捕された。

村上氏は「ファンドを運営する上でインサイダー情報は絶対にもらわないよう十分すぎるほど注意を払っていた。」と本で書いている。日本社会で良くある「出る杭は打たれる」的な逮捕だったのだろうか。。。

インサイダー取引とは?

そもそもインサイダー取引とは何なのだろうか?

インサイダー取引とは会社の内部者や情報受領者が会社の重要事実を知りながらその情報が公表されるまえにその会社の株券や新株予約権証券などを売買することを言うそうです。学校のテストで事前に出る問題が知っている状態でテストに臨む感じでしょうか。

会社の内部者

別名「インサイダー」ともいい、上場企業の役員や従業員などで、アルバイトなども含まれます。これらの人たちは退職後1年以内の人も含まれます。さらには、大株主や顧問弁護士など会社と契約を締結している人や企業も対象となるそうです。

情報受領者

会社の内部者(会社の元内部者も含みます)から直接に重要事実を伝え聞いた人をいいます。この人を第一次情報受領者といいます。村上氏は第一次受領者と思われます。

ちなみに、この第一次情報受領者からさらに会社の重要事実を伝え聞いた人。わかりやすくいえば、また聞きした人はインサイダー規制の対象者にはなりません。

重要事実

投資家の判断に重大な影響を与える重要な事実のことを指します。

・合併・会社の分割

・株式の分割

・業務提携

・新製品や新技術の事業化

・業務上で発生した損害

など証券取引法などで列挙されています。

何故いけないのか?

一般の投資家との不公平が生じ、証券市場の公正性・健全性が損なわれるおそれがあるためだそうです。

実際インサイダ―取引に当たるかどうかはかなりグレーなラインみたいです。

サラリーマンがインサイダー取引で逮捕されることはある?

サラリーマンも自社の情報を世間より早く知る機会はあると思います。

株式の分割や新規発行などは知る機会があまりないかもしれませんが、新製品の事業化や業務上の損害などは自身が当事者になる可能性もありますよね。

NHK職員によるインサイダー取引事件

この事件はNHKの職員がNHKの株を売買したわけではありません。NHKの職員がニュースになる前の原稿を見て、株の売買を行ったというもの。この原稿は株式会社ゼンショーホールディングスがカッパ・クリエイト株式会社と資本業務提携契約をという内容でした。

マスコミの人ならこういうことができる可能性すごいありそうですよね?

サラリーマンもインサイダー取引で逮捕される可能性があると思うので、正しい知識を身につけて、逮捕されないように気を付けましょう。

 

 

 

 

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA